肥満症とは、肥満が原因もしくは関連する合併症があるか、その合併症を予防するために減量することが医学的に必要な状態のことをいいます。そのため、特に合併症が無く、BMIが25以上となり、単純に皮下あるいは内臓に肥満が過剰に蓄積するだけでは、それは単なる「肥満」であり、病気(肥満症)ではありません。
このBMI(Body Mass Index:ボディマス指数)というのは、体重(kg)÷【身長(m)×身長(m)】で計算します。また、25以上で肥満となりますが、35以上では高度肥満と分類されます。
なお、肥満に関連する健康障害としては、2型糖尿病、高血圧症、脂質異常症を中心に、耐糖能異常、高尿酸血症・痛風、冠動脈疾患、脳梗塞・一過性脳虚血発作、非アルコール性脂肪肝性肝疾患(NAFLD/ MASLD)、月経異常・女性不妊、閉塞性睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群、運動器疾患(変形性関節症:膝関節・股関節・手指関節、変形性脊椎症)、肥満関連腎臓病があります。
治療について
治療に関しては、まずは原因をチェックします。というのも二次性肥満症(内分泌性、遺伝性、視床下部性、薬剤性など)であった場合、原因となる疾患の治療が優先されるためです。その場合は、生活習慣の改善では肥満の改善は乏しく、手術や薬物によって治療が行われます。
二次性肥満症が否定され原発性の肥満症の診断になった場合は、食事療法(25kcal×標準体重が目標)・運動療法(膝や腰などに負担がかからないように)・行動療法(食事や体重、歩数などを自分で記録し評価し次の計画をする)が行われます。それでも体重の改善が乏しく、BMI35以上もしくはBMIが27 kg/m2以上であり、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する場合は、抗肥満症薬である高用量のセマグルチド(ウゴービ)やチルゼパチド(ゼップバウンド)などが検討されます。ただし、これらの抗肥満薬の投与条件はかなり高いハードルがあります。保険の適応がある場合には、順天堂大学などで処方をさせていただきます。
高度肥満症(BMI35以上)の場合には、マジンドール(サノレックス)という薬も選択肢になりますが、最長3か月で1回の処方は14日以内という制限があります。
また、2型糖尿病を合併している肥満症においては、チルゼパチド(マンジャロ)やセマグルチド(オゼンピック)、SGLT-2阻害薬(ルセオグリフロジン、カナグリフロジン、エンパグリフロジン、トホグリフロジンなど)があります。お気軽にご相談ください。